
コラム
「二人の巨匠から鉄釉を受け継いだ原清」2017/02/06

鉄釉陶器とは、黒・黒褐・茶色などの酸化鉄を呈色剤とする施釉陶器の総称で、日本では鎌倉から室町時代に瀬戸で焼かれていました。この鉄釉陶器の技法で人間国宝に認定された石黒宗麿や清水卯一は、中国宋磁の鉄釉を始めとする天目の技術を深く究め、これを現代陶芸の世界に独自の作風として確立させました。この鉄釉陶器を代表する二人の巨匠の元で学び、伝統と技術を受け継いで自らも人間国宝に認定されたのが、鉄釉表現のさらなる高みを目指す原清です。
村(現・斐川ひかわ町)の農家に生まれました。江戸時代に有田や唐津の陶磁器が渡ってきた出雲で少年時代を過ごし、登下校の途中に拾った染付の古い陶片の美しさに魅せられて陶芸の道を志しました。
原清の手掛ける鉄釉陶器は、基本は黒く発色する鉄釉の上にコンテで模様を描き、模様の部分にのみゴム液を被せ(※画像参照)、上からほぼ同じ厚さに赤く発色するよう調合した鉄釉を掛けることで赤茶色の背景の中に動植物の文様を黒いシルエットで浮かび上がらせています。
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