楠部彌弌は陶器の貿易を営む父のもと京都に生まれました。1915年（大正4年）京都市立陶磁器試験場付属伝習所を卒業後、新たな作陶を目指し同志たちと共に作陶家集団「赤土」を結成。個性的で新感覚にあふれた秀作を発表を数多く発表し、閉鎖的であった陶芸界に新風を巻き起こしました。楠部彌弌の作風は多岐にわたりますが、胎土に顔料で直接文様を描き、その上から透明の釉薬を掛けて焼き上げる独自の技法「彩埏」は、晩年に至るまで楠部芸術を特徴づける技法として用いられました。


1897年　京都市東山生まれ
1912年　京都陶磁器試験場付属伝習所入所
1918年　赤土社結成に参加、作陶生活を開始
1925年　パリ万国博覧会に出品、受賞
1927年　帝展初入選、これ以後帝展、文展など官展で造形の新傾向開拓、後進の指導に尽力
1933年　帝展で特選、燿々社結成
1937年　パリ万国博覧会で受賞
1937年　文展審査員
1946年　日展審査員
1951年　日展文部大臣賞受賞
1953年　博埴会と青陶会を結成
1954年　日本芸術院賞受賞
1962年　日本芸術院会員
1978年　文化勲章受章
1982年　日本新工芸家連盟会長
1984年　逝去