尾形乾山は京都の富裕な呉服商尾形宗謙の三男として生まれました。（兄は画家の尾形光琳）　野々村仁清に陶芸を学び、37歳の時に京都市鳴滝に築窯し本格的に作陶を始めました。「乾山」という名は京都の乾（いぬい）の方角にあることに由来します。文学意匠に基づく斬新なデザインで、「うつわ」の枠にとらわれない彩り豊かな懐石具を多く手掛けました。また琳派風の模様や中国・ヨーロッパなどの異国趣味など、幅広い要素を取り入れた独自の作風は後の世代にも強い影響力を与えました。


1663年　京都府生まれ
　　　　 陶芸家・野々村仁清に師事
1699年　京都市の鳴滝に開窯
1712年　二条寺町に移り、以後多くの作品を手がける
1731年　輪王寺宮公寛法親王の知遇を受け、
　　　　 江戸・入谷に開窯
1737年　下野国佐野で陶芸の指導を行う
1743年　逝去


代表作：花籠図（福岡市美術館、重要文化財）
金銀藍絵松樹文蓋物（出光美術館、重要文化財）
銹藍金絵絵替皿（根津美術館、重要文化財）