コラム
「和銑による現代茶の湯釜 長野垤志」2017/07/17
日本における茶の湯釜は、侘茶の発展とともに茶道の美意識を体現するのもとして進展してきました。主な類系として、西の芦屋、東の天命と称された「芦屋釜」と「天明釜」です。芦屋釜は福岡県芦屋で作られた茶の湯釜で室町時代に隆盛し、近年には終焉されたといわれています。一方の天命釜は栃木県佐野天明で作られ、芦屋釜よりやや遅れて室町から桃山時代に隆盛しました。しかし侘茶の確立とともに京都にその位置を譲るようになります。京都では西村道仁といった名工達が、茶人の要求を汲んだ「京釜」を制作するようになりました。江戸時代になるとさまざまな流儀が発生して、釜師はその流儀にあった枠の中で制作をするようになりした。
近代になって、その枠を超えて自由で斬新な茶の湯釜を制作する釜師が登場しました。「茶の湯釜」のジャンルにおいて初めて人間国宝に指定された「長野垤志」です。
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