コラム
「800年の伝統を受け継ぐ 二代目月山貞一」2017/11/27
月山貞一の先祖は、鎌倉時代に出羽国(山形県)の月山周辺を中心に活躍し、出羽月山鍛冶と呼ばれた刀鍛冶の一人、と言われています。大阪月山家は江戸時代末期に月山貞吉が大阪に移住したことに始まり、家伝の綾杉肌の他、備前伝や相州伝をはじめ、大和伝、美濃伝など、多数の技術を持つ刀匠です。
二代目月山貞一は代々刀匠を業とする家系に生まれ、成るべくして成った日本を代表する刀鍛冶の一人です。
綾杉肌は別名を月山肌ともいい、鎌倉・南北朝期の月山刀の流れを汲む月山家の家伝です。柾目が大きく波打ち、綾杉の木地に似た模様からこの名がつけられました。しかし美しい綾杉肌にするには非常に高度な技術を要する為、室町時代末にはほとんど作られなくなってしまいました。この難易度の高い綾杉肌を復興させたのが江戸時代末期の月山貞吉で、それをさらに美しい綾杉肌に進化させたのが祖父である初代貞一でした。二代目貞一はこの綾杉肌に地景と呼ばれる焼き入れの際に生じる網状の模様を交え、独自の作風を確立。伝統的な技法をしっかりと受け継ぎながらも、先代、先々代とは一味違う作品を残しました。
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