藤本能道は東京大久保に大蔵省書記官藤本有隣の次男として生まれ、東京美術学校図案部卒業後は富本憲吉、加藤土師萌について色絵磁器の技法を学びました。1955年頃にはモダンアート協会に参加し、前衛的な造形作品を制作しましたが、1964年頃から再び色絵の仕事を手掛けるようになりました。微妙な色調の色絵を生み、地の草白釉や雪白釉を工夫して色絵の具の効果を十分に発揮させるなど、色絵磁器の表現を豊かなものにしました。又、工芸家では初めて東京芸術大学の学長をつとめるなど、工芸界に指針を示すとともに教育にも尽力しました。


1919年　東京都大久保生まれ
1941年　東京美術学校工芸科図案部卒業
　　　　 文部省技術講習所に入所
1932年　加藤土師萌に師事
1938年　富本憲吉に師事。九谷系の色絵技法を習得
1946年　日展及び国展に初入選
1956年　日本陶磁協会賞受賞
1962年　東京芸術大学助教授
1966年　日本工芸会正会員
1970年　東京芸術大学教授
1973年　東京青梅市に築窯
1981年　紺綬褒章受章
1985年　東京芸術大学学長
1986年　重要無形文化財「色絵磁器」保持者に認定
1991年　勲二等旭日重光章受章
1992年　逝去