小磯良平は1903年に旧三田九鬼藩の旧家で貿易に携わっていた岸上家の8人兄弟姉妹の次男として、神戸市の中山手通に生まれました。1928年に東京美術学校を首席で卒業、その後渡仏しルーブル美術館のパオロ・ヴェロネーゼ「カナの婚礼」に衝撃を受け、群像表現を極めることを生涯のテーマとしました。帰国後は滞欧作などを官展に出品し高い評価を得ましたが、1936年（昭和11年）の文展の発足とともに官展から離れ、新制作派協会を結成。戦後は東京芸術大学教授などを務めて後進の指導にあたり、定年退官後も迎賓館（赤坂）大広間の壁画「絵画」「音楽」を制作するなど長きにわたり日本の洋画界に大きく貢献しました。


1903年　兵庫県神戸市に貿易商の次男として生まれる
1922年　東京美術学校西洋画科入学
1925年　第6回帝展に「兄妹」が初入選
1927年　東京美術学校を首席で卒業
1928年　渡仏、2年後に帰国
1936年　新制派協会結成
1940年　第11回朝日文化賞
1942年　第1回帝国芸術院賞
1953年　東京芸術大学教授
1973年　勲三等旭日中綬章受賞
1979年　文化功労賞
1982年　日本芸術院会員
1983年　文化勲章受章
1988年　逝去